安全・安心のための取り組み ~「JFS-B規格」の取得と「AIB国際検査統合基準」に基づいた管理体制~
目次
『私たちは食品を扱う企業として欠かせない「安全・安心」の向上を目指し続けます。』
「食」の衛生面や安全性などに高い水準が求められる傾向が進む中、当社はHACCPを含む食品安全マネジメント規格「JFS-B規格」の認証取得に向け計画的に準備を進めてきました。安全・安心な商品、サービスの提供がお客様への貢献の最大の基盤になると考え、そのための取り組みとして「JFS-B規格」の取得を目指し、品質管理などの作業を一つひとつ見直してきました。
段階的に取り組んできた準備が実を結び、当社は2023年1月、京都工場にて「JFS-B規格」を取得。外部認証により、お客様により安心してご使用いただける体制を築きました。
これからも私たちは、「JFS-B規格」を活用し、安全・安心な食品製造のための取り組みを推進・向上させていきます。
「JFS-B規格」とは
JFS-B規格とは、一般財団法人食品安全マネジメント協会が運営する食品安全規格の1つで、マネジメントシステム、ハザード制御、適正製造規範の3つの要求事項が定められています。コーデックスHACCPの7原則12手順を含んでおり、食品関係事業者が安全な食品を製造するための取組を向上させることができます。認証取得には、専門の検査員による検査に合格することが必要で、定期的な検査が実施されます。
さらに当社では、AIB(※)の定める食品安全管理のための基準(AIB国際検査統合基準)に基づいて、食品安全の管理体制を確立しています。ここからは、その具体的な内容について、6つのポイントに分けてご紹介します。
※AIB(American Institute of Baking):米国製パン研究所
1. 入荷管理
【資材の温度・破損チェック】
パンの材料となる資材を入荷した際、それぞれが適正な温度に保たれているか、破損がないかなどをチェックしています。また、納入業者の体調管理や車両の状態も確認しています。
【トレーサビリティ】
万が一商品の品質問題が発生した場合に、その原因をすばやく把握し対処できるよう、それぞれの資材がいつどの業者から入荷されたのかといった情報を管理し、生産時間や出荷日の追跡ができる仕組みを取り入れています。
【アレルゲンの管理】
アレルゲンである卵や乳を含む資材については、その情報がひと目で分かるシールを貼るといった工夫をし、混入事故防止に努めています。また資材の配置でもアレルゲンを含まない資材を棚の上段に置くなどの対策も講じています。
2. 従業員に対する安全衛生教育
当社では、従業員に対する年3回の安全衛生教育に加え、ノロウイルスと食中毒に特化した講習会を年2回実施しています。手洗いの仕方や汚物処理のやり方については、ロールプレイングや動画を取り入れるなど、より現場に近い環境での教育を実現。研修後にはテストを行い、従業員一人ひとりの安全衛生に対する意識の定着を図っています。
3. 定期的なメンテナンス
工場内の機械・設備の確認やメンテナンスを、毎月1回のペースで実施しています。具体的には、ベルトコンベアーのほつれや、ネジのゆるみ、機械への油差しなど、製造ラインごとに30〜80ほどの項目をチェック。パンの製造を担う機械・設備の安全性とパフォーマンスを常に100%の状態に保つため、メンテナンスは欠かせません。
4. 定期的な清掃活動
清掃活動は大きく2種類、毎日の清掃活動と月1回の定期清掃活動に分けられます。ミキサーやベルトコンベアーなど、生地や粉、パンくずなどが溜まりやすい場所は毎日清掃をしています。また、機械の内部といった毎日の清掃項目以外の部分については、定期清掃時に清掃します。
メンテナンス同様に、機械・設備の正常な稼働や異物混入防止、品質の担保のために欠かせない取り組みです。
5. IPM(総合的有害生物管理)の実施
工場内で小さな虫などを発生させないために、日々の清掃活動に加え、トラップを用いた定点観測なども定常的に実施。清掃や定点観測の結果については、専門の外部業者も交えて評価や改善を行っています。
6. 商品の製造・出荷・運用ルールを規定
当社では、食品製造上の危害要因の重要管理項目として、出荷直前の金属検査を最重要項目に据えています。できあがったすべての商品を金属探知機に通し、万が一の異物混入を防いでいます。
また、金属探知機自体が正常に動いているかを検査するため、4時間に1回程度の間隔でテストピース(金属片)を通し、正しく検知できるかをテストしています。
上記の点検の記録に加え、資材を保管する冷蔵庫や冷凍庫、工場内の温度などの管理・記録も徹底しています。
AIB国際検査統合基準の5つの項目
1.作業方法と従業員規範
原材料の受入、移動、保管、輸送、加工や最終製品を配送する工程において、従業員、生産工程や環境が食品安全上の問題を引き起こさないことに、施設は自信を持つ必要があります。製品が従業員や生産工程によって汚染されることを防ぐための方法を示しています。
2.食品安全のためのメンテナンス
食品安全のための環境を提供し維持管理するうえで、設備や建築物の設計、構造およびメンテナンスは、とても重要です。施設や設備が、衛生上および食品安全上の危害を招かず、それらを容易に管理できるようにするための最適な設計や保全方法を示しています。
3.清掃活動
製品を食品安全上の危害から守るために、清掃や洗浄殺菌方法、使用する化学薬剤の種類、清掃活動の頻度、および微生物管理を専門的な知識を用いて実施する必要があります。製品の汚染を回避するための清掃に関するガイドラインを示しています。
4.総合的有害生物管理(IPM)
施設から害虫などの有害生物を排除することは重要ですが、食品製造環境内で有害生物が繁殖する機会をなくすことの方がさらに重要です。ここでは、有害生物による食品の汚染を避けるための多様なアプローチを管理する方策を示しています。
5.前提条件と食品安全衛生プログラムの妥当性
「前提条件と食品安全衛生プログラム」を確立することは重要です。しかし、もし設計、計画、管理、文書、および見直しに関して正式なプログラムが確立されていなければ、前提条件プログラムは、その日の担当者の一存に委ねる結果となってしまいます。前提条件プログラムを施設全体に一貫して実施していることを確実にするための基準を示しています。
以上のように、安全な商品を安心して食べていただけるよう、ルールや体制を整えてパンの生産をおこなっております。
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