安全でおいしいパンを首都圏にも!オリエンタルベーカリー千葉工場が22年11月より本格稼働
関西で創業したオリエンタルベーカリー。「一人でも多くの方に安全・安心なパンをお届けし、社会貢献したい」という想いのもと、2016年に関東圏への営業活動をスタートしました。そして2022年11月よりおいしいパンをさらに安心してご使用いただくため、関東圏初の自社工場となる千葉工場の本格稼働を開始。千葉工場が担うミッションや、オリエンタルベーカリーの商品がご提供する価値を、千葉工場副工場長の大黒真也と、関東営業部の栄康之に聞きました。
安全でおいしいパンを安定的に関東のみなさまに届けたい
――オリエンタルベーカリー千葉工場は、どのような経緯で設立が決まったのでしょうか。
オリエンタルベーカリー 関東営業部 栄康之(以下、栄):千葉工場設立の前から、オリエンタルベーカリーは東京や横浜に営業所を展開していました。当時は関西の工場から自社便で運んできたパンを流通させるスタイルでしたが、関東圏のお客様に営業を続けていく中で見えてきた「供給の面でも安心できる、おいしいパンを仕入れたい」という強いニーズに応えるため、新たに工場を設立することにしたのです。
――オリエンタルベーカリーはすでに大阪や京都の工場で、安全で生産性が高いパンの作り方を確立させています。そのノウハウを千葉工場に持っていくことは難しいことだったのでしょうか。
オリエンタルベーカリー 千葉工場 副工場長 大黒真也(以下、大黒):工場の諸条件が異なり、まったく同じ機械を入れることはできなかったので、実はかなりの調整が必要でした。それに、関西と関東では気候や水も異なります。関西と同じように計量し、同じように作ったとしても発酵の具合や焼き加減が同じようにならないケースがあるんです。そのため試行錯誤を繰り返して、関西と同じようなオリエンタルベーカリーがめざすクオリティのパンを作っていきました。また安定価格でパンをご提供するためには、製造工程を効率化することは至上命題です。効率よく機械を動かせるよう配置や調整を繰り返しました。
栄:設立当初は紆余曲折あり苦労しましたが、ひとたび軌道に乗せれば、その後はおいしいパンを大勢のみなさまにお届けすることができます。現状、千葉工場で製造している商品は一部商品のみですが、今後はより多くの商品を製造できるようにしていきたいです。
機械で生産の効率化を図りつつも、人の目で最後まで厳しくチェック
――関東にも現地で生産したパンを届けられるようになった今、お客様からの反響の声はありましたか。
大黒:「パンがやわらかい」「味わいが深い」など、食感やおいしさへのこだわりを評価していただいている声を耳にします。オリエンタルベーカリーのパンは、やわらかいパンが好きな日本人の好みに合わせて、生地はやわらかく、焼成後もしっとりとした食感をお楽しみいただけるよう製造しています。また、発酵の風味がよく感じられる発酵種を使用しており、パンが持つ芳醇な味わいを堪能できます。
加えて、規格の正確さも評価いただいています。オリエンタルベーカリーは、病院など食事量を正確に管理しなくてはならない施設にもパンをご提供しています。そのため重量や大きさを厳しくチェックする必要があります。パンの膨らみを左右するイースト菌は気温などの環境に敏感で、その時々によって発酵の具合が異なってしまうため、とても重要な工程です。もちろん工場の中はできるだけ条件が一定になるように調整はしていますが、まだまだ自然の力には及ばない面があります。そのため一つひとつ発酵具合を人の目で見極め、規定通りに成形・焼成できたものだけをご提供するようにしています。
――機械による効率的な製造をめざしているとはいえ、まだまだ人の力が求められるのですね。
大黒:それが強みでもあるんですよ。完全に機械任せにするのではなく、人の目を常に光らせているからこそ、従業員の技術力や判断力が育っていくんです。特に、最後の検品作業は人の目を使うことが重要だと考えています。毎日たくさんのパンをチェックするからこそ「よりよくするためには何が必要か」という発想が生まれてきます。もっと効率的においしいパンを作るための努力につながるのです。
小ロットや配送時間への配慮。柔軟な対応はオリエンタルベーカリーの強み
――利便性の面でのオリエンタルベーカリーの強みを教えてください。
栄:冷凍パンの小ロットからの納品に対応しています。近頃は食品業界全体で冷凍食品の普及が進んでいるのですが、冷凍食品は大きなロット数で提供されることが多いため、十分な保管スペースが確保できないお客様には利用しにくいというデメリットがありました。そこで小ロットからの冷凍パンの納品にも対応するようにしたところ、多くのお喜びの声をいただきました。
ご要望にお応えするためには、配送に一工夫が必要でした。効率よくパンを配送するために冷凍便と常温便を一緒のトラックに積載する必要があったのです。私たちは自社配送の利点を生かし、柔軟に対応することができました。関東圏で喜ばれたこの配送方法は、今、関西圏でも広がりつつあります。
――柔軟な配送対応を行っているのですね。生産に関してはどのような工夫をしているのでしょうか。
大黒:効率的な生産をするために工場のラインを動かす時間はある程度決まっているのですが、必要に応じて生産の順番を入れ替えるなどして、通常より早い時間帯など、特殊な納品時間へのご要望にも極力お応えするようにしています。
栄:お客様が喜んでくださるのであれば、私たちはできる限り柔軟に対応したいと考えています。お客様からご要望をいただけるということは、それだけオリエンタルベーカリーの商品にニーズがあるということ。新たな施策は『新たな仕組み』として、横展開できるように取り組んでいます。
――今後、千葉工場はどのような運営をめざしていくのでしょうか。
大黒:大阪の泉佐野工場や京都工場が培ってきた知見をさらに取り入れていけるよう、人材育成や設備の調整、仕組みの構築を行っていきたいと思います。千葉工場におけるパン製造の安定性や生産性はまだまだ向上できるはず。基準の底上げを測っていきたいですね。
栄:実は、早くからパン食が普及していた関西地方に比べて、関東地方は米食へのこだわりが深く、進出は大きな挑戦になります。しかし、まだ自分たちも気づけていないパンの良さやオリエンタルベーカリーの魅力を理解し、きちんとお伝えしていくことで、様々な事業に携わる方に貢献できると考えています。関東はヘルスケアや高齢者施設のお客様が多いので、安全性を訴求していくことも大切です。近隣に工場があることで、いつでもおいしいパンを食べられる安心感をご提供していきたいですね。
※掲載情報は2022年11月現在のものです。
プロフィール
大黒 真也
株式会社オリエンタルベーカリー 千葉工場 副工場長
大学卒業後、2010年にオリエンタルベーカリーに製造社員として入社。rn泉佐野工場でパン製造の基礎を学び、食パンラインや菓子パンラインの生産ライン長を経て、2021年より千葉工場副工場長として工場の立ち上げ、運営を手掛ける。現在は関東エリアのお客様に安全・安心なおいしいパンをお届けする為、製造スタッフの人材育成や製造ラインの改修に日々取り組んでいる。
栄 康之
株式会社オリエンタルベーカリー 関東営業部 部長
前職で食品製造を経験後、1995年にオリエンタルベーカリーに営業社員として入社。入社後販売会社で配送・営業・顧客管理の業務経験を積み、2019年より東京営業所に赴任し関東での営業活動・人材育成・営業所の運営を手掛ける。また入社後にパン作りにも興味を持ち、2級パン製造技能士の国家資格も取得する。
Recommended
おすすめ記事