【新渡戸記念中野総合病院様事例】おいしい!と好評の病院食。365日安定して提供するための環境をどう実現するか?

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昭和7年に東京中野区に創立された新渡戸記念中野総合病院では、若者から高齢者まで様々な疾患を抱えた方々が入院生活を送っています。病院生活においては、薬の投与や手術だけでなく食事も治療の一環。その中で、オリエンタルベーカリーのパンをご利用いただいています。
今回は、同病院の栄養科で科長を務められている佐藤剛氏と、オリエンタルベーカリーの営業担当である栄康之に、おいしい病院食の重要性や、患者・スタッフ双方の安心につながる食事提供の環境づくりについて話を聞きました。

病院だからこそ「おいしい食事」であることが重要

――はじめに、新渡戸記念中野総合病院と、佐藤さまが担われている業務について教えて下さい。

新渡戸記念中野総合病院 佐藤さま(以下、佐藤):当院は昭和7年に新渡戸稲造博士と賀川豊彦氏らによって、ここ東京中野に創立されました。この地域の中核を担う総合病院として、内科から外科、眼科、皮膚科まで、診療科も多岐に渡ります。296の病床があり、入院患者は高齢者の割合が多いものの、最近は若い世代の方も増えてきました。
私は当院の栄養科の科長として、病院の食事の発注業務や献立・栄養の管理、栄養科スタッフの労務管理などを担っています。

――病院の食事を提供する上でどういったことを大切にされていますか?

佐藤:病院では、食事も治療の一環なので、一食あたりの成分・栄養といった規定を守った安全な食事を提供することが大前提となります。ただし、どんなに完璧な食事でも、患者さんに食べてもらわなければ意味がありません。負担なく完食していただくためには、見た目や大きさ、やわらかさなど様々な工夫が必要ですが、とくに大事なのは「おいしさ」だと感じています。

新渡戸記念中野総合病院 佐藤剛氏

病院食の制限の中で、おいしさを実現するための技術力

――献立の主食を担うパンですが、オリエンタルベーカリーのパンの利用を開始した決め手はやはり「おいしさ」が大きかったのでしょうか?

佐藤:オリエンタルベーカリーさんのパンのサンプルをいただいて食べた時、まず何よりも「おいしい!」という感想を持ちました。味も食感も見た目もとてもよかったですね。私以外のスタッフからも高評価で、お取引を開始しました。その後、患者さんに対して行った食事に関するアンケートでも評判は高く、食べ残しも減りました。

オリエンタルベーカリー 栄(以下、栄):我々は、病院の他にも高齢者介護施設や学校など、あらゆる給食の現場にパンをお届けしています。治療の一環、子どもの成長、毎日の楽しみなど、食事が担う役割を踏まえ「どうやったら喜んで食べてもらえるか」を常に考え改良や開発を行っています。

たとえば、現在こちらの病院でご利用いただいているNEGロールは、卵アレルギーをお持ちの方でも安心して食べていただける卵不使用のパンです。原材料を工夫することで、しっとりソフトな食感を実現しています。

オリエンタルベーカリー 栄康之

――「おいしさの実現」と一言でいっても、そこにはいろいろな面での技術力が必要になりますね。

佐藤:病院食のようにいろいろな規定がある中ではなおさらです。たとえば、ほとんどのロールパンは焼色をつけるため表面に卵黄を塗りますが、NEGロールは卵黄を使わずともおいしそうな焼き目がついていますし、規格が揃っていて個体差もほとんどありません。また当院では常温に加えて冷凍のNEGロールも仕入れていますが、冷凍も常温のものと変わらないくらいおいしくて驚きました。

食事を提供する側の安心が、入院患者のさらなる安心につながる

ーー病院の食事においては安全・安心面の担保も欠かせないと思いますが、どのようなポイントが患者さんの安心につながるのでしょうか?

佐藤:我々が責任をもって安全・安心な食事提供をすることは当たり前ですが、他にも少しの工夫があるだけで、患者さんの安心感はより増すことがあります。たとえば、オリエンタルベーカリーさんのパンは1つ1つ個包装なのですが、その包装にはパンの成分が細かく記載されています。患者さんが自分の目で成分を確かめられることが、より納得感のある安心につながっている例です。
また、患者さんに安心してもらうためには、我々自身が安心して食事を提供できる環境づくりが大切で、不測の事態への備えなどがこれにあたります。入院患者数が1日で20名以上増減することも多いですが、栄養科としては万が一にも食事が足りないという事態は避けなければなりません。オリエンタルベーカリーさんには急な発注・納品などにも対応いただいており、大変感謝しています。

個包装パンの写真。包装に成分が印字されている。

:弊社の工場は関西にありますが、関東にもいくつか拠点を持っており、急な発注や雪・台風などの予期せぬ流通トラブルにも対応できるよう備えています。食事は毎日のことですから、365日安定して供給できる体制は、当たり前ながらも我々の強みです。
また、冷凍パンも食事数の急な変動への備えとしてご利用いただいていますね。使いたい分だけを解凍して使っていただけるので、不足はもちろん、食品ロスも防ぐことができます。賞味期限が長いことも、多くの病院やホテルなどでご利用いただけているポイントです。

――入院患者さんの年齢層や食事に対する好みなどが日々変化する中で、病院に求められるものも変わってくると思いますが、今後ますますオリエンタルベーカリーに期待することはありますか?

佐藤:若い世代の入院患者さんが増えているからか、病院食の主食としてごはんよりもパンを好む割合が増えているように感じます。関西の会社でありながら、これまでも常に安定した商品・サービスの提供をいただいていますが、今後関東エリアにもますます拠点を広げていただけたら嬉しいですね。

:実は2022年の夏頃、千葉に新しく工場をオープンする予定です。より出来たてのパンをお届けしたり、急な対応にもっとスピーディーに対応できるようになると思います。
若い世代を中心にパン食が増えていますが、特に入院患者さんの場合には、様々な事情でパンを食べたいけど食べられないという方もいらっしゃると思います。アレルギー対応のパンを増やしたり、咀嚼力の弱い方でものどに詰まりにくいパンを開発したりと、できるだけ多くの方にパンを安心して食べていただけるような工夫をしていきたいです。

※掲載情報は2022年3月現在のものです。

記事内に登場したパン

プロフィール

佐藤 剛

新渡戸記念中野総合病院 栄養科 科長

栄養専門学校卒業後、西洋料理店のサブチーフとして調理修行を積み、その後新渡戸記念中野総合病院に入職し27年目を迎える。 入院患者の栄養管理、栄養相談など臨床に携わり、現在は栄養科科長としてスタッフの労務管理や食品管理を手掛ける。

栄 康之

株式会社オリエンタルベーカリー 東京営業所 部長

前職で食品製造を経験後、1995年にオリエンタルベーカリーに営業社員として入社。入社後販売会社で配送・営業・顧客管理の業務経験を積み、2019年より東京営業所に赴任し関東での営業活動・人材育成・営業所の運営を手掛ける。また入社後にパン作りにも興味を持ち、2級パン製造技能士の国家資格も取得する。