ニーズの高まるテイクアウトメニューを増やすコツは? パンの活用事例をご紹介
テイクアウトやデリバリーメニューを増やしたい。けれど既存のメニューは持ち運びに向いていない……。テイクアウト需要が高まる昨今、飲食店の悩みは増えています。
そんな悩みを一挙に解決できる可能性を秘めているのが、パンを使ったメニュー開発! 今回は、外食業界を長く担当してきたオリエンタルベーカリーの和田が、テイクアウトやデリバリーにパンを使ったメニューをおすすめする理由と、メニュー開発のヒントをご紹介します。
高まるテイクアウトニーズと提供側に求められる対応
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、テイクアウトメニューの需要は高まっています。時短営業や酒類の提供中止などの要請に応える必要もあったため、持ち帰りができるメニューに活路を見出した飲食店は少なくありません。では、いったいどのような点に考慮してテイクアウトメニューを考えればよいのでしょうか。
おいしさはもちろん、安全性や利便性なども大切
テイクアウトメニューは、おいしいことはもちろん、店内で食べてもらう時よりも安全面に配慮しなければいけません。また、お客様にとっての持ち運びやすさや食べやすさも大事な要素。加えて、数あるカフェやレストランの中から選んでいただくためには、メニューの個性や価格の適正さ、注文のしやすさや待ち時間の短さなどもアピールしていくべきでしょう。
これらのことを踏まえながら、コスト面や効率的な提供フローと併せてメニューを考案するのはかなり大変なこと。そこでおすすめしたいのが「パン」の活用です。実際にテイクアウトメニューにパンを上手に取り入れ、売上を伸ばしているお店も多く存在します。
コロナ禍でも売上が安定! ハンバーガーなどの洋風ファーストフード業界
新型コロナウイルス感染拡大により外食業界は苦境を強いられていますが、実はハンバーガーやホットドッグなどをメインで取り扱っている洋風ファーストフード業界は売上を安定させていることをご存知でしょうか?
ハンバーガーショップなどはもともとテイクアウト形式の販売方法が確立されており、常時から売上の数割を占めていました。加えて、提供スピードが早いこと、人との接触を増やさずに購入できること、徹底した衛生管理が謳われていることがコロナ禍のニーズにマッチし、売上が伸びていったと考えられます。こうした事例にならい、長引く通常営業の自粛期間にはハンバーガーやホットドッグなどの販売を開始する飲食店が増えてきました。
しかしパンを使ったメニューがテイクアウトに向いている理由は、それだけではありません。パンの活用には他にもいろいろなメリットがあるのです。
テイクアウトメニューにパンを活用する3つのメリット
テイクアウトにパンを使ったメニューをおすすめする理由は、大きく分けて3つ。オリエンタルベーカリーの和田が解説します。
【メリット① 使い勝手がいい】 すぐに調理できてアレンジも自在!
和田まず挙げられるのが、使い勝手のよさです。パンは基本的に常温保存でOKなので保管場所にも困りません。ごはんやパスタのように炊いたり茹でたりという時間も不要なので、注文が入ってからでもスピーディーな提供ができ、ロスも防げます。 また、パンは味や食感・見た目も様々でそれ自体も種類が豊富なので、飲食店のカラーにあった品物を選びやすかったり、同じパンでもはさむ具材やパンの厚み・切り方を変えることでいろいろなバリエーションが作れたりと、メニュー開発においても扱いやすいのです。他店はもちろん、コンビニなどで売られている商品との差別化もしやすいと言えます。
【メリット② 常温でおいしい】温度変化による味・食感の劣化が少ない!
和田パンは常温でもおいしく食べていただけるという利点があります。食事を提供する側としては、テイクアウトであってもなるべくおいしい状態で食べてもらいたいもの。ごはんやパスタは、冷めてしまうとでんぷん質が変化して美味しくなくなってしまったり、固まって食べづらくなったりしますよね。でも、パンならそういった心配もありません。
【メリット③ 持ち運び向き】液漏れの心配を減らせる!
和田テイクアウトをしたとき、お客様が気にする点の一つが液漏れです。パスタなどの麺類はソースが漏れやすいのはもちろん、ごはんが主食のお弁当もおかずからの汁が漏れたりする心配があります。一方、パンは汁気が少ない具材と合わせてもおいしく食べていただけるので、液漏れしにくい点も魅力。また、持ち運ぶ間に中身が寄ってしまったり崩れてしまったりする心配も少なくすみます。食べる場所も比較的選ばないので、お客様にとっても利便性が高いと言えるでしょう。
パンを使ったテイクアウトメニュー例
最後に、パンを使ったメニュー開発のヒントをご紹介します。具体的なパンの選び方や押さえておくべきポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
①簡単にバリエーションを出したいなら、サンドイッチ・ハンバーガー系メニュー
和田商品のバラエティを増やしたいのであれば、サンドイッチやハンバーガー類の展開がおすすめ! 同じパンを使ったとしても、具材をアレンジするだけで簡単にメニュー数を増やすことができます。季節のメニューや週替りのメニューも作りやすいですよ。
【サンドイッチ用のパンと使い方のポイント】
- 具材の個性を生かすため、パンは味・香りともにクセがないものがgood。ただしハンバーグなど味の濃い具材を利用する際にはパンの味がしっかりするものを使うと個性が出る。
- 生地はハード系のものよりも、しっとりもっちり食感のものの方が具材をはさみやすく、使い勝手がいい。また、耳までやわらかいものを選ぶと、切り落とす手間がなくそのまま使える。
- サンドイッチの具材はしっかりと水分を切る。また、パンに水分を移りにくくするため、具材をはさむ面にマーガリンやバター、マヨネーズを塗る。
【ハンバーガー用のパンと使い方のポイント】
- ビーフ、ポーク、チキン、いずれの肉に対しても、ほんのり甘めで香りにクセがなく、ふんわりとした食感のパンがマッチ。
- ただし味の濃いソース等を使用する場合は、リッチな味わいの生地やもっちり食感のパンも好相性。
▼オリエンタルベーカリーの、サンドイッチ・ハンバーガーにぴったりのパン
①どんな具材でも合う! 万能もっちり【Uブレッド】
湯種を使用し、当社独自の技術で焼き上げた、ほんのり甘くてしっとりとした食パン。サンドイッチでもトーストでもお使いいただける、オールマイティーな食パンです。
②フルーツサンドにもぴったり! しっとり【豆乳食パン 】
豆乳入りの食パン。湯種を使用しているのでしっとりしています。豆乳と甜菜糖を使用しているのでヘルシーイメージのサンドイッチやスイーツメニューにおすすめです。
③食事系もスイーツ系も自由自在! ジューシーな【デニッシュ】
デニッシュ生地を四角く焼き上げました。厚みを半分にカットし、食パンのようにサンドイッチ等にご使用ください。また、スイーツメニューにもおすすめです。
④具材たっぷりの大きいバーガー向け! 直径約11cm【ビッグゴマバンズ】
白ゴマをたっぷりトッピングしたタイプのバンズです。開封後すぐに使用できるよう、半分にカットしています。
②手軽に個性を出すなら、本場フランス・イタリアのパンメニュー
和田他店との差別化を強化したいのであれば、イタリア系・フランス系のサンドメニューの導入がおすすめです。素材によって食感や味わいの特徴がガラッと異なるので、手軽に個性的なメニューを開発することができます。具材は生ハムやチーズ、トマトといった定番アイテムを使ってもいいですし、お店既存のオリジナル商品を作ってもいいと思います。
【フランスパンの特徴と使い方のポイント】
- 小麦粉、パン酵母、塩、水のシンプルな材料でできており、外側のバリっとした食感が特徴的。しっかりとした歯ごたえがあり、ボリューム満点。
- 切り方、厚さによって食感が変化。はさむだけでなく、斜め切りにして具材を乗せるブルスケッタのような使い方もおすすめ。
【イタリアのパンと使い方のポイント】
- パスタ等の付け合わせとして作られているパンが多い。パスタソースやオリーブオイルに浸して食べるため、パンそのものの水分は少なめで味も薄い。
- 主張が控えめでさまざまな食材や味付けとマッチ。
- サンドメニューにおすすめなのはパニーニ。アレンジがしやすい。
▼オリエンタルベーカリーの、フランス・イタリアのパン
①使い切りサイズのフランスパン【ルヴァンクッペ】
ライ麦から起こした自家製発酵種を使用したこだわりのフランスパン。発酵種の豊かな風味とほのかな酸味、もっちりとした食感を味わっていただけます。温めなおしてお召し上がりください。
②イタリアで定番の白パン【パニーニ】
ソフトフランス生地を白焼きにしました。横割りにして具材をサンドし、プレスして焼く、イタリアの「パニーニ」用のパンです。
③こだわり・質を推すなら、素材にこだわったパンメニュー
和田味や素材へのこだわりに自信のあるお店なら、テイクアウトメニューでもそれを伝えたいもの。具材はもちろん、パンもそのこだわりに応えられる必要があります。たとえば、自然派を謳う飲食店であれば天然酵母のパンがいいですよね。 また、せっかくこだわったポイントはどんどんお客様にアピールしていきましょう。テイクアウトは店内での飲食と比べても、より直感でメニューを選ぶ傾向にあります。ひと目でこだわりが伝わるようなメニュー名やポップにすることで、商品を選んでもらうきっかけになります。
【パンのこだわりを伝えるポイント】
- 小麦粉の種類や、合わせて使用している粉の内容(米粉、全粒粉使用など)、天然酵母を使用していることなどを伝える。
- 看板メニューから派生メニューを作ってみる。お店のこだわりが支持されていることをお客様に伝える。
【食材・具材のこだわりを伝えるポイント】
- 産地(国産、○○産等)を謳う。
- 調理法(○○に一晩漬けこんだ鶏肉使用等)を少し見せるだけでも、こだわりを伝えることができる。
▼オリエンタルベーカリーの、素材にこだわったパン
①リッチで濃厚な味わい【ブリオッシュバンズ】
乳脂肪分の高い油脂と卵を使用したリッチなバンズです。パンの味もしっかりしているので、濃い味の具材とよく合います。
②リッチなこだわりバターを使用【バター香るクロワッサン】
マーガリン(フランス産発酵バター入り)を風味豊かな生地に折り込んだリッチな味わいのクロワッサンです。温めると外がサクッ中がジューシーな食感になります。
④お客様ニーズに応えるなら、健康志向系のパンメニュー
和田世間の流行やニーズを押さえ、それに応える商品を作ることもメニュー開発の方法の一つです。特に昨今は健康や美容に対して敏感なお客様が増えているので、食品であってもそういったニーズに応えることが重要です。実際、「食べ物から栄養素を手軽に摂りたい」「おいしさは大事だけど糖質は避けたい」などのお客様のニーズに応えられている商品だと認識されれば、多少価格が高くても選んでもらうことができます。パンの中にはそのようなニーズにお応えできるアイテムもありますので、ぜひご検討ください。
【健康・美容ニーズに関連するパンの例】
- 豆乳を使用したパン。豆乳は大豆タンパクやビタミン、ミネラルが豊富で、低脂質・低糖質。美容を気遣う人から人気がある。
- 胚芽・全粒粉を使用したパン。胚芽や全粒粉に交じる小麦のふすまは通常の小麦を精製する際に除去される部位だが、実は食物繊維やミネラルが豊富。自然な栄養を取り入れたいと考える人から支持されている。
【健康志向の具材の例】
- 高たんぱくで低糖質・低脂質の鶏むね肉
- 出汁を使うなどの工夫で、塩分を控えた食材
- 植物性のたんぱく質が摂れると注目が集まっている「大豆ミート」
▼オリエンタルベーカリーの、健康志向系のおすすめパン
①栄養がたっぷりの【胚芽ソフト】
必須脂肪酸やビタミンB群などが豊富に含まれている小麦胚芽を混ぜ込んだ食パン。湯種を使用しているので、胚芽入りでもしっとりしています。ほんのりブラウンに色づけしています。
おわりに
いかがでしたか? テイクアウトニーズが高まる中、食事を提供する側にとってもそれを口にするお客様にとってもメリットがたくさんある、パンを使ったメニュー。これまでなかなかテイクアウトのメニュー開発がうまくいっていなかった方も、ぜひ一度パンの活用をご検討ください。商品や仕入れに関するお問い合わせもお待ちしております!
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※掲載情報は、2021年11月現在のものです。